黒ドレスに関する結婚式の基本マナー
黒ドレスは素敵ですが、結婚式に着ていくには基本的なマナーを押さえておく必要があります。なかでも大切なのは、結婚式はお祝いの席ということでしょう。黒はエレガントな色である一方、喪服を想起させる色でもあります。したがって、結婚式で黒ドレスを着るには、他のアイテムやヘアメイクなどで、華やかにコーディネートすることが重要になるのです。仮に、ドレスや靴、バッグ、羽織ものなどをすべて黒で統一してしまうと、暗い雰囲気になってしまうでしょう。
忘れがちなのがストッキングです。結婚式では生足はマナー違反なので、ストッキングを履く必要があります。自然な肌色に近いベージュのストッキングや、ラメ入りなどの華やかな素材を選びましょう。そもそも、黒ドレスでなくても、フォーマルな場では黒いストッキングは敬遠されます。ドレスだけではなく小物にもこだわり、お祝いの席にふさわしい装いに仕上げてください。
リトルブラックドレスの基礎知識
結婚式にもおすすめな黒ドレスに、「リトルブラックドレス」というものがあります。リトルブラックドレスとは、黒一色で装飾が控えめなドレスのことを指します。このドレスは、シンプルなデザインゆえに、コーディネート次第であらゆるシーンにマッチするでしょう。一着もっていれば多種多様にアレンジできるので、リトルブラックドレスは多くの女性に愛されています。
なお、かつては黒一色のドレスというと、喪服のイメージが強かったものです。しかし、そのような暗いイメージを払拭したのが、ココ・シャネル。ココ・シャネルは1900年代に活躍した女性ファッションデザイナーで、革新的なデザインを、数多く世に送り出しました。彼女が1920年代に、パーティにも着ていけるモードな洋装として発表したものこそが、「リトルブラックドレス」です。ココ・シャネルは、黒をエレガントでシックな色と捉えており、自らも黒い服を好んで着ていたとされています。
なお、映画「ティファニーで朝食を」をきっかけに、リトルブラックドレスは一躍有名になりました。人気女優オードリー・ヘプバーンが着用したことで、大いに注目されたのです。現代では、結婚式やパーティなどの賑やかな場所で、多くの女性がリトルブラックドレスを着こなしています。
結婚式におすすめの黒ドレスのデザイン
結婚式におすすめの黒ドレスのデザインについて紹介します。素材と装飾に分けて、それぞれ説明します。
素材
結婚式におすすめな黒ドレスを選ぶときは、素材の上品さにこだわりましょう。特におすすめなのは、女性らしさを演出するレース素材です。繊細なレース素材は上品な雰囲気をかもし出します。仮に、全体をレースで覆ったとしても、派手になりすぎることはないでしょう。もちろん、胸のあたり、スカートの裾などのように、ワンポイントでレースを取り入れても、ほどよく華やぎます。
光沢にもこだわりましょう。黒いドレスは地味に見える場合があるので、照明の光で反射して輝く素材を選ぶのがおすすめです。たとえば、高級感があるシルクやサテンなどがよいでしょう。
なお、ベロアやベルベットも光沢がありゴージャスな素材ではありますが、着るには季節を選びます。厚手の素材は秋冬の季節感が強いので、春夏の結婚式には不向きです。見た目だけではなく、季節感も意識してこそ大人のマナーといえるでしょう。
装飾
結婚式に向けて黒ドレスを選ぶときは、派手めな装飾を意識しましょう。黒ドレスは色が暗いので、少々派手めな装飾のほうがバランスを取りやすいためです。たとえば、大きめのリボンをあしらったドレスの場合、カラードレスだと幾分派手に感じるケースもあります。一方、黒ドレスならば、リボンが少々大きくても上品に見えることでしょう。
また、ビジューなどきらきら輝く装飾が施されているものも、おすすめです。首元にビジューがついていれば、ネックレス替わりになることでしょう。なお、ドレスの装飾が多い場合は、別にアクセサリーを用意しなくても構いません。ドレスとアクセサリーがケンカしないように、コーディネート全体をチェックしておきましょう。
結婚式で黒ドレスを着るときのコーディネートのポイント
結婚式で黒ドレスを着るときの、コーディネートのポイントについて説明します。
羽織もので華やかさを演出する
羽織ものを合わせると、華やかになります。上半身を覆う羽織ものは、暗い雰囲気を一変させます。結婚式では、テーブルに着席しているシーンが多いでしょう。まずは、見られやすい上半身のコーディネートから整えていくのがおすすめです。
ベージュのボレロやラメ入りのゴールドのショールなどを選ぶと、明るく華やかな印象になります。なお、ファーや毛皮はゴージャスな雰囲気ではありますが、結婚式では好まれません。生き物の素材を使ったものは殺傷をイメージさせるため、マナーにそぐわないためです。マナーを守りつつ華やかな羽織ものを選び、華やかに仕上げましょう。
小物でアクセントを加える
小物でアクセントを加えるのもおすすめです。羽織ものを使いたくない場合などは、バッグやアクセサリーで華やかさを加えましょう。特に、同系色でまとめたコーディネートに差し色を加えると、大人らしくおしゃれな印象になります。差し色は、目を引く色がおすすめです。
たとえば、ピンクやイエローのバッグなどを選んでみてはいかがでしょうか。結婚式用のバッグは小ぶりなものが多く、派手めの色でも主張しすぎることなくまとめられるでしょう。なお、バッグの素材には注意してください。結婚式はフォーマルな場なので、カジュアルな素材は好まれません。ナイロンやキャンバス生地などは、いくらおしゃれでも避けた方が無難です。
パールネックレスや、シルバーネックレスなどのアクセサリーを合わせても華やかになるでしょう。また、アクセサリーについてもマナーがあるので注意してください。一般的に、昼間は控えめでシンプルなアクセサリー、夜はきらびやかで大ぶりなアクセサリーが好まれる傾向です。時間帯によってアクセサリーを使い分けましょう。