更新日:2023/10/28

人前式とは?費用相場・流れ・他の挙式との違いをご紹介!

結婚式には、さまざまなスタイルがあります。そのため、人前式に招待された場合は、教会式などほかの挙式との違いを把握したうえで、適切な衣装を選ぶことが大切です。

そこで今回は、人前式に招待された場合の服装の注意点や当日の流れなど、人前式の基本的な知識や役立つ情報を紹介していきます。人前式の意味や服装の選び方などを正しく理解したうえで、新郎新婦をしっかりとお祝いしましょう。

人前式について知ろう

人前式にゲストとして招待された人のなかには、「人前式という言葉を初めて聞いた」という人もいるでしょう。人前式は、自由度が高い挙式を理想とする新郎新婦に特に人気があるスタイルです。ここでは今注目の人前式の概要を紹介します。

人前式の風景

人前式ってなに?

私たちがイメージする結婚式の多くが、神様に向かって永遠の愛を誓うという形式のものです。しかし、人前式の場合は神様ではなく、当日出席するゲストに結婚の意思があると誓ったうえで、ゲストに証人になってもらうというスタイルで行われます。従来のキリスト教式や神前式とは異なり、人前式には宗教色がないため、比較的新しい結婚式のスタイルとして多くの新郎新婦に支持されています。

これらのことからも分かるように、人前式の場合は特定の宗教や格式にとらわれていないという点が最大の特徴といえるでしょう。人前式は宗教・格式にとらわれないので、形式は自由です。そのため、自由度が高く、新郎新婦の理想を反映しやすいというメリットがあります。人前式は挙式場所も自由であるため、挙式費用が比較的リーズナブルであるという点も新郎新婦に支持されている理由の一つです。

人前式はどこで行うの?

人前式は特定の宗教や格式にとらわれた結婚式ではないので、結婚式を行う場所にも制約はありません。しかし、人前式をするのに人気の場所はあります。たとえば、チャペルや披露宴会場は、人前式をする新郎新婦に人気です。他にも、ロビーやアトリウム、ガーデン、公園、役所など、さまざまな場所で結婚式ができるのが、人前式の魅力といえるでしょう。

人前式以外の挙式スタイル

人前式をより詳しく理解するためには、ほかの挙式スタイルとの違いを明確に知っておく必要があります。人前式以外の挙式スタイルは、大きく分けて教会式・神前式・仏前式の3つがあります。教会式を選ぶと、キリスト教のしきたりに則した結婚式が行われます。教会式の結婚式を選んだ場合は、教会で神様に愛を誓うのが一般的です。

次に、神前式は、日本の伝統的な挙式スタイルであるため、特に高齢の方にとってはなじみ深いものといえます。神前式を選ぶと、結婚式は神社で行うのが一般的とされています。しかし、式場までのアクセスや招待するゲストの人数などを考慮して、ホテルや結婚式場の神殿を選ぶ新郎新婦も多くいるのが実情です。

続いて、仏前式は、仏様とご先祖様に向けて契りを誓うというスタイルです。仏前式の挙式は縁のある寺院で行う必要があるため、新郎新婦のどちらか一方がその宗派の信徒である必要があります。このように、挙式スタイルにはそれぞれ大きな違いがあるので、ゲストとして結婚式に招待された場合はドレス選びも慎重に行うことがポイントです。

人前式が人気な理由

人前式が多くの新郎新婦に支持されていることには、複数の理由があります。まず、人前式の場合、新郎新婦が着用する衣装には明確なルールがないため、洋装と和装のどちらを選んでも良いものとされています。そのため、新郎新婦で相談して、自分たちが着てみたい衣装を着用することができるのが、人前式の魅力の一つです。場合によっては、洋装と和装の両方を着用してもよいでしょう。

次に、人前式は挙式形式が自由であるという特徴があるため、オリジナルの挙式を挙げることができます。結婚式は人生で大切なイベントの一つであるため、演出などにもこだわって思い出に残るものにしたいということは誰もが思うところです。人前式の場合、例えば、ブーケセレモニーやリングリレーなど、ゲスト参加型の演出を柔軟に盛り込むことができます。挙式でゲストが参加できる演出があれば一体感が生まれ、よりアットホームな結婚式になるでしょう。

また、人前式のようなオリジナルの挙式には宗教色がないため、ほかの挙式スタイルと比較した場合、挙式費用が抑えやすい点も人前式が人気の理由のひとつです。宗教色がないなどの理由から、誓いの言葉まで自分たちで考えることができるので、思い出に残る結婚式が実現できる可能性が高いといえます。

人前式の費用相場

人前式では新郎新婦の好みに合わせてさまざまなスタイルを採用できます。そのため、かかる費用は10万円未満から50万円以上と幅広くなっています。豪華な挙式を望む場合、高額な費用が発生することもあるでしょう。首都圏における人前式の平均費用は35万円程度といわれています。

神前式は約30万円、キリスト教式は約40万円が平均費用とされているため、ちょうど中間程度の費用がかかることになります。人前式の費用の内訳は、会場使用料や衣装代、司会料などです。会場や演出方法、ゲストの人数などによってコストが大きく変わってくるでしょう。費用の上限がない反面、工夫次第で経済的に楽しく結婚式を行えるのが人前式の魅力だといえるのではないでしょうか。

人前式の流れ

人前式の流れを細かく見ていくと、ほかの挙式スタイルとの違いに気付きます。人前式では、始めに新郎新婦が入場します。入場の仕方は自由とされており、新郎新婦がペットと一緒に入場したり、両親などの家族と入場したりするなどの事例もあります。

次に、入場した後は、すぐに結婚の誓いに移るのが基本的な流れです。人前式では、ほかの挙式スタイルのような堅苦しい誓いの言葉ではなく、新郎新婦らしいオリジナリティあふれる言葉を選ぶケースがほとんどです。

そして、指輪の交換、誓いのキスを行います。ただし、人前式の場合は、挙式中に指輪の交換や誓いのキスを省略することもめずらしくありません。

続いて、新郎新婦が結婚証明書にサインをします。結婚証明書は新郎新婦が自分たちでデザインしたものを使用することも多く、場合によっては当日ゲストと協力しながらみんなで一緒に結婚証明書を作成する場合もあります。

結婚証明書へのサインが終わったら、結婚の承認と宣言を行うという流れです。これらがすべて終了すると、新郎新婦がそろって退場します。退場ではゲストがフラワーシャワーをするなどして祝福することもあります。

フラワーシャワー

ドレス選びについて

人前式にゲストとして招待された場合でも、ドレス選びのマナーを守ることが大切です。ここからは、結婚式に出席する際のドレス選びについて見ていきましょう。

はじめに結婚式でのマナーを知ろう

結婚式に招待されたら、人前式かどうかという挙式スタイルに関わらず、一般的なマナーについても正しく把握しておく必要があります。たとえば、ゲストが白いカラーの服を身にまとうのは、マナー違反とされています。白という色は、結婚式の主役である花嫁だけに許された神聖で特別な色です。実際、挙式では白の婚礼衣装を着用するケースが多いので、ゲストは白い服の着用は控えるように気を付けましょう。

また、女性の場合、結婚式で華やかさを演出するために、露出のある服装を選ぶ人がいます。しかし、ゲストの服装としては、華やかでありながらも上品であるものが好ましいといわれています。そのため、スカート丈が短すぎるドレスや、胸元が開いたデザインのファッションは控えるべきです。続いて、結婚式でファーや革製品を身に付けるのもマナー違反です。ファーや革製品などのアイテムは殺生を連想するものであるため、お祝いの席では避けるのが無難といえるでしょう。

さらに、素足やサンダル、ミュールで結婚式に参加するのも控えましょう。特に夏場は暑さが厳しい季節ですが、どんなに暑くてもストッキングを着用するのが正しいマナーです。加えて、ティアラや腕時計、花冠のアイテムを身に付けるのも厳禁です。ティアラや花冠は花嫁が身に付ける可能性があるため、ゲストがファッションアイテムとして取り入れてはいけません。

ほかに、派手すぎるネイルやメイクをした場合も、上品な印象とは異なるため控えるのがポイントです。儀礼的な結婚式なのであれば、アップスタイルのヘアアレンジをするなど、マナーを守ったうえで華やかな印象となるような工夫を取り入れましょう。

結婚式のお呼ばれの服装選び

会場別!おすすめドレスを紹介

人前式ができる会場はさまざまです。そのため、会場別に適したドレスについてもチェックしておきましょう。まず、ゲストハウスやチャペルでの挙式に招待された場合は、教会式とかなり近い形式の結婚式となることが予想されます。そのため、服装も教会式と同様にスタンダードなものを選ぶとよいでしょう。

次に、レストランで行われる結婚式の場合は、新郎新婦が婚礼料理にこだわりを持っている可能性が高いと判断できるので、タイトすぎるデザインのドレスは避けて、ほど良くゆとりがあるものを選ぶことがポイントです。

また、ガーデンウェディングの場合は、挙式も屋外で行うのが一般的です。屋外で過ごす時間が長くなる可能性があるため、疲れにくいデザインのドレスや靴で参加するとよいでしょう。鮮やかな色のドレスや靴を選ぶと、より華やかな印象になります。

ほかに、人前式を海辺で行う新郎新婦もいます。海辺での結婚式に出席する場合、ロングドレスを選ぶと動きにくいため控えるべきです。加えて、ヒールの靴では浜辺を歩きにくいという点が心配されます。海辺の結婚式のドレス選びに悩んだ場合は、イエローやオレンジなど海に映える鮮やかな色で、動きやすいデザインのものを選ぶことが大切です。

人前式での演出アイデア例

宗教的な縛りがない人前式では、新郎新婦の好みに合わせてさまざまな演出アイデアを取り入れられます。面白いアイデアやおしゃれなアイデアを採用して、結婚式で素敵な思い出をつくるとよいでしょう。人前式での演出アイデアは、結婚の誓いを重視する演出、家族が増える喜びを表現する演出、ゲスト参加型の演出などに分けられます。ここからは、それぞれの演出パターンごとにアイデア例を紹介します。

結婚の誓いを重視する演出

人前式の特徴は、誓いの言葉も自分たちの好きなようにアレンジできるということです。自分の言葉で相手への思いを表現することで、通常の結婚式では実現できない特別な感慨が得られるのではないでしょうか。普段はなかなか言えない言葉を結婚の誓いに盛り込み、人生に一度の感動を演出しましょう。

具体的には、「あいうえお作文」を活用するアイデアなどが挙げられます。これは、相手の名前であいうえお作文を作り、誓いの言葉としてゲストに向かって発表するというものです。また、新郎新婦が互いに「誓いの3カ条」を考え、ゲストの前で守ることを誓うというアイデアも人気があります。新郎新婦がそろって結婚宣言をした後で、ゲストが誓約書に署名をしていくというアイデアもおすすめです。

家族が増える喜びを表現する演出

他のスタイルの挙式の場合、新郎新婦の両親はあまり出番がありません。しかし、人前式では両親に演出を手伝ってもらうことができます。両家が1つになる演出をすることで、会場に和やかな雰囲気をもたらすことができるでしょう。演出の意味合いが第三者にも伝わりやすいため、ゲストに深い印象を残せるというメリットもあります。

具体的なアイデア例としては、新郎新婦がそれぞれの両親と一緒に入場する、両親に結婚誓約書へのサインをしてもらうといったものが挙げられるでしょう。また、新郎新婦の実家で水をくんできて1つの器に合わせ、それを新郎新婦が一緒に飲むという「水合わせの儀」も人気の演出アイデアです。挙式が始まる前に、新郎新婦の誕生から出会いまでを簡単にまとめたオープニングムービーを流すという演出もおすすめです。また、アイルランナーに新郎新婦のこれまでの歩みを描き、その上を歩いて登場する演出もよいでしょう。

ゲスト参加型の演出

人前式を盛り上げたいときは、ゲスト参加型の演出を積極的に取り入れてみてください。ゲストに参加してもらう大がかりな演出は会場に一体感をもたらします。参加したゲストも忘れられない思い出を持ち帰ってくれるでしょう。ゲスト参加型の演出アイデア例として、まずブーケセレモニーが挙げられます。ブーケセレモニーでは、ゲストにそれぞれ花を持ってもらい、新郎がそれを集めて花束を作ります。新郎は花束を新婦に差し出してプロポーズし、新婦は承認の証としてブーケから1本花を取って新郎の胸ポケットに挿すのです。

次に、新郎新婦の指輪をリボンに通して後方の席から祭壇へと送るリングリレーも人気の演出です。その他のアイデアとして、紙に木の枝を描き、ゲストに頼んでその上からフィンガースタンプを押してもらい、葉が茂った木を完成させるウエディングツリーなどがあります。

人前式での誓いの言葉の例文

人前式での誓いの言葉は自由に決められますが、自由だからこそどうしていいのかわからないという人も多いでしょう。そのようなときは、例文を参考にすれば自分たちにふさわしい言葉が考えやすくなります。ここでは、人前式における誓いの言葉の例文をいくつか紹介します。まず、2人で一緒に読む場合のオーソドックスな例文を参考にするとよいでしょう。

私たちは本日、ここにいる大切な皆さまの前で宣言いたします。この先、うれしいときもつらいときも、夫婦で支えあい、手をつないで温かな家庭を築くことを誓います。今後とも末永く、未熟なふたりのことを見守っていただければ幸いです。

次に、新郎新婦にそれぞれ読むパートがある誓いの言葉を紹介します。

【新郎新婦】本日わたしたちは、ご列席いただいた皆さまを証人として夫婦の約束を交わします。

【新郎】私○○は△△さんを生涯妻とし、愛し敬い続けることを誓います。結婚記念日は決して忘れず、家事を一生懸命こなし、△△さんのことを大切にします。

【新婦】私△△は○○さんを生涯夫とし、愛し敬い続けることを誓います。どんなときも笑顔を絶やさず、喧嘩をしたときは話し合いに応じ、○○さんのためにおいしい料理を作ります。

【新郎新婦】これからは夫婦で協力し合い、助け合って生きていくことをここに誓います。

立会人代表をお願いされたらどうする?

人前式の場合は、当日参列するゲスト全員が立会人となります。なかでも、新郎新婦とより近しい関係にある人物の場合は、立会人代表に選ばれる可能性があるでしょう。

立会人代表とは立会人全員の代表者であり、新郎側・新婦側からそれぞれ1名ずつ選出されるのが一般的です。 立会人代表を依頼されると、特別に役割をお願いされる可能性があります。

立会人代表の役割としては、新郎新婦の見守りやサポート、結婚誓約書へのサイン、結婚成立宣言、立会人代表挨拶などが挙げられます。ただし、人前式は自由度が高いため、新郎新婦側の配慮などから立会人代表の挨拶が省略されるケースもあるでしょう。

立会人代表の挨拶を依頼された場合は、祝辞に始まり簡単な自己紹介をしたうえで、新郎新婦とのエピソードを盛り込むことがポイントです。自己紹介をするときには、新郎新婦との関係性についても盛り込むのが一般的です。最後は結びの言葉で締めるというのが一般的な流れであるため、立会人代表の挨拶は一般的な披露宴での挨拶とほぼ同じと考えてよいでしょう。このように、立会人代表はほかのゲストよりも目立つため、服装は基本的なマナーを守ったうえで、よりきちんと感のあるもので臨むのが理想です。

人前式の風景

素敵な人前式を過ごそう!

人前式は特定の宗教や格式にとらわれない結婚式であるため、ほかの挙式スタイルと比較すると自由度が高いという特徴があります。しかし、ゲストとして当日出席するのであれば、基本とされるマナーを守ったうえでドレス選びを行うことが欠かせません。人前式が行われる会場の特徴を考慮しながらおしゃれで華やかなドレス選びをして、素敵な1日を過ごしましょう。

この記事の著者

  • DRENiコラム編集部​

レンタルドレス「DRENi」を運営。公式インスタグラムにてドレス​のコーディネートや結婚式にお呼ばれされた時のドレスアップマナーなどを配信中。

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