そもそも謝恩会とは
そもそも謝恩会とは、大学や専門学校などの卒業時に、在学中にお世話になった恩師に感謝の意を込めて開かれるカジュアルなパーティーのことをいいます。そのため、大学などの謝恩会に関しては、学生が主体となって企画するのが一般的です。規模は学校によってさまざまで、学年全体で行われるところもあれば、ゼミごとなど小規模で集まってパーティーをするケースもあります。
また、子どもが幼稚園や保育園を卒業するときに、お世話になった先生に感謝の気持ちを伝えるために、保護者が集まって謝恩会を企画することも増えつつあります。幼稚園などの謝恩会では、先生や子どもたちが一緒に歌を歌ったり、簡単なゲームをしたりするなどして、みんなで楽しい時間を過ごすのが一般的です。
謝恩会が行われる会場としては、ホテルやおしゃれなレストランの個室などが選ばれることが多くあります。ただし、大学の卒業式の後に謝恩会を予定している場合は、卒業式が執り行われた学内の体育館や多目的ホールなどが会場となることもあります。
卒業パーティーを開催するという学校も多いと思いますが、卒業パーティーと謝恩会との大きな違いは、先生が参加するか、しないかという点です。謝恩会はお世話になった先生方を招待して行われる場のため、フォーマルでかしこまった雰囲気となります。それに対して卒業パーティーは先生が参加せず卒業生のみ行われる場合が多く、謝恩会に比べるとややカジュアルな雰囲気になります。
謝恩会のドレス選びのマナー
謝恩会のドレスを選ぶ場合、結婚式や式典などに参加するときのような厳密なルールはありません。しかし、恩師への感謝も伝えるためにも、TPOを踏まえたうえでマナーを守ることが求められます。ここからは、謝恩会のドレス選びのマナーについて見ていきましょう。
大学の卒業式では袴を着る方も多いと思いますが、謝恩会の場が学校外の場合、袴のままで謝恩会に出席することのはおすすめしません。 謝恩会では立食形式で食事をすることが多く、慣れない袴では食事がしにくく、汚してしまう可能性があります。 袴はレンタルする方が大半のため汚してしまうと追加料金が発生する可能性もあります。 卒業式が終わったら謝恩会に向けてドレスやワンピースに着替えた方が動きやすく、写真映えも楽しめます。
露出度が高いデザインは避ける
謝恩会では、学生という立場をわきまえたうえで服装を選ぶことも大切です。謝恩会に参加するなら、ノースリーブやミニ丈、胸元が大きく開いたデザインなど、肌の露出が高すぎるファッションは避けた方がよいでしょう。また、謝恩会はたった1回しかないため、手持ちのワンピースで代用したいという人もいるでしょう。手元にあるワンピースがノースリーブなら、ジャケットやボレロ、ショールなどを羽織るようにすることがポイントです。
謝恩会とは、あくまでも在学中にお世話になった先生に感謝の気持ちを伝える場です。謝恩会のファッションで悩んでいるなら、目上の人へどのような印象を与えるかをしっかりと考えたうえで、上品なコーデを意識することが大切です。
ヌーディなストッキングを履く
謝恩会でドレスを着用する場合、肌色で薄いヌーディなタイプのストッキングを合わせる必要があります。3月になり少しずつ寒さが和らいできたからといって、生足で会場に行くのは厳禁です。また、黒いストッキングは縁起が悪いと感じる人も多く、フォーマルな場にふさわしくないので控えるようにしましょう。
加えて、地域などによっては3月でもまだ寒い場合もあるので、保温性に優れたタイツで出席したいという人もいるでしょう。しかし、タイツではカジュアル感が強くなってしまうので、当日はタイツも控えるのが無難です。薄いストッキングは伝線しやすいので、万が一に備えて予備を持って出かけると安心です。
ヒールのあるパンプスを合わせる
謝恩会でドレスを着る場合は特に、ヒールがあって、つま先が見えないパンプスを合わせるようにしましょう。
パーティーでは3cm以上ヒールがあるものを合わせるのがマナーであるため、持っていない人は用意しておくことが欠かせません。パンプスを選ぶときには、パーティーシーンにふさわしい華やかなデザインのものを選ぶことがポイントです。
たとえば、光沢があるサテン素材やレース素材、ビジュー、ストーンがあるものなど、ドレスとのバランスを見ながら華やかなものを選んでおくと良いでしょう。ただし、謝恩会が立食パーティーの場合、ヒールが高すぎるパンプスを選んでしまうと足が疲れてしまいます。普段あまりヒールがある靴を履かない人は特に、ストラップ付きのパンプスで、歩きやすく安定感があるものを選ぶと足への負担が軽減します。
謝恩会のドレス選びのポイント
謝恩会のドレスを選ぶときには、複数のポイントを押さえておきましょう。ここでは、ドレス選びのポイントを3点紹介します。
学生らしい清楚さと上品さを意識する
大学生などが謝恩会のドレスを選ぶ場合は、学生らしい清楚さを意識しながらも、上品なかわいらしさのあるものを選ぶことがポイントです。ただし、謝恩会で着用可能なドレスにはたくさんの種類があるので、決めかねている人も多いでしょう。ドレスのデザインで悩んだ場合は、卒業シーズンである点を考慮して、春らしい明るいイメージで選んでみるという方法があります。
たとえば、ドレスのカラーは薄いピンクやシャンパンベージュ、素材はシフォンなど、柔らかい印象を与えるものは学生に特に人気があります。加えて、半袖や長袖など、袖のあるドレスを選ぶことによって羽織り物の着用が不要になり、学生らしい爽やかさも演出できるという点はメリットといえるでしょう。
着替えやすさも意識する
卒業式の後に謝恩会が予定されている場合は、ヘアメイクや服装などを変更する時間がそれほどないことも予想されます。たとえば、卒業式で袴を着用する人が袴用のヘアメイクをしているのであれば、そのヘアメイクに似合うデザインやカラーのドレスを選んでおくという方法も検討してみましょう。
また、ヘアスタイルが崩れるのが気になるなら、頭からかぶるタイプのドレスは避けるのが無難です。ドレスの背中の部分にファスナーが付いており、大きく開くものを選んでおけば、ヘアメイクを崩さずにドレスを着用することができるでしょう。謝恩会当日にバタバタしないためにも、ドレスは前もって試着してみるなどして、着替えやすいかどうかを確かめておくことが大切です。
長く使えるデザインを選ぶ
謝恩会のドレスを選ぶときには、できるだけ長く使えそうなデザインのものを選びましょう。大学や専門学校を卒業した後、20代後半くらいになると、結婚式や披露宴に招待される機会が増える人もいます。結婚式などに招待された際に着用できるドレスを選んでおけば、費用の節約にもなります。ただし、結婚式では花嫁が純白のドレスを着用するので、ゲストが白いドレスを着るのは厳禁
です。
また、黒いドレスではお祝いの雰囲気を演出するのが難しいという側面があることから、卒業後の着用を考えているなら控えたほうが良いでしょう。ただし、先々のことを考えすぎてしまい、若々しさのないデザインを選んでしまうのはもったいないので、その点は十分理解しておくことをおすすめします。
コートの選び方
寒い季節では会場までドレスの上にコートを羽織っていかなければなりません。会場で着替えるとしても着て行ってもおかしくないコートが必要になるでしょう。ここではコートの選び方について解説します。
フォーマルな素材
コートは防寒のために着るものなので、どうしても厚みに目が向きがちです。しかし、フォーマルな場面で着る場合は、場の雰囲気や格式にマッチした素材で作られているかどうかという点も重視しなければなりません。ドレスのようなフォーマルウェアに合わせる場合は、コートもフォーマルな素材のものでなければバランスが取れないからです。色やデザインを選ぶ以前に、気を付けなければならない点といっても過言ではありません。
コートに用いられる素材はさまざまですが、どのような素材で作られているかによって生地の厚みだけでなく、風合いや質感にも大きな差が出ます。フォーマルにふさわしい高級感があり、上品に見える素材としては、ウールやカシミアがおすすめです。素材自体が保温性に富んでいるため、防寒着としての機能も十分に果たします。そのうえ上品さもあるので、フォーマルウェアとの相性は抜群です。丈の長いものを選ぶと、よりフォーマルさがアップします。
ナチュラルな色味
ドレスに合わせる場合、コートの色味も大事なポイントになります。当日着るドレスの色に合わせるたり、ベージュやグレーなどナチュラルなカラーを選ぶのも良いでしょう。
ベージュはどのような色のドレスにも合わせやすい上に、女性らしい柔らかな印象を与えます。もちろん、温かい印象を与えるのはベージュだけではありません。暖色系の色なら温かく親しみやすい印象を与えるのに役立ちます。
大人っぽくしたい場合は、コートの色をベージュではなくグレーにするのがおすすめです。ネイビーは、清楚で知的な印象を与えるのにも役立ちます。
上品なデザイン
ドレスに合わせる際には、コートのデザインにも気を配りましょう。大前提としてフォーマルな場にふさわしい、品の良さを感じさせるデザインであることが重要です。色やデザインが華やかなドレスに合わせるのですから、コートのデザインはできるだけシンプルなものが良いでしょう。どのようなドレスと合わせてもすっきりと落ち着いて見えるはずです。
たとえば、ノーカラーのシンプルなシルエットのコートは、どんなデザインのドレスとも相性が良いとので、1着手元に置いておけば、急にコートが必要になったときでも重宝します。フォーマル用として特におすすめなのは、襟付きのチェスターコートです。
上品でシルエットも美しいので、華やかなドレスともよく合います。
カジュアルからフォーマルなシーンまで、あらゆる場面で着用できるのはトレンチコートです。ベルトでウエストを絞るとメリハリのあるシルエットになります。どのような素材のコートでも、スタイルアップを狙うなら、ウエストにリボンがついているデザインを選ぶのがおすすめです。
迷ったら黒いコート
フォーマルな場で着るコート選びに迷ったら、とりあえずどのようなシーンでも着用しやすいものを1着手元に置いておくようにするとよいでしょう。具体的には、黒いコートがおすすめです。黒なら冠婚葬祭のどのシーンでも着られるため、着回しの効くアイテムとして重宝します。黒いコートは素材やデザインの選択肢も多く、流行にも左右されません。フォーマル用に1着だけ選ぶのであれば、他の色より向いているといっても良いでしょう。
ただし、結婚式に着て行く際には、注意も必要です。 ロング丈のコートは、前を閉じてしまうと全身が真っ黒なイメージになりやすく、お葬式を連想させてしまいかねません。結婚式で着用するなら、アクセサリーや小物で華やかさをプラスするなど、黒一色にならない工夫をすることも大事です。