2022/03/01
最近よく耳にする「Well-being(ウェルビーイング)」という言葉。聞いたことはあっても、「実際どういう意味なのかわからない!」という人も多いのではないでしょうか?この記事ではウェルビーイングの意味や、なぜウェルビーイングが必要なのか、またどうしたらウェルビーイングになれるのかなどについてご紹介します。
ウェルビーイングとは、ものすごくわかりやすく言うと、「充実/しあわせ」な状態のことです。
もともとの起源は16世紀のイタリア語「benessere(ベネッセレ)」であり、「よく在る」 「よく生きる」ことを意味する概念のことといわれています。
ウェルビーイングという言葉はWHO(World Health Organization)を設立したスーミン・スー博士が「健康とは、身体的・精神的・社会的にWell-being(ウェルビーイング)な状態」と発言したことから世に広まることとなりました。
ウェルビーイングには、主観的なものと客観的なものと二種類があり、それぞれ「主観的ウェルビーイング」「客観的ウェルビーイング」とよばれています。
主観的ウェルビーイングは「充実度」「しあわせ度」「満足度」などのことで、その人や企業、団体などが「どれだけウェルビーイングと感じているか?」ということが重要です。
いっぽうで、客観的ウェルビーイングは「GDP」「健康寿命」などのことで、その人や企業、団体などが「どれだけウェルビーイングと測られるか?」ということが重要です。
これからの時代で大事なのは「主観的ウェルビーイング」だといわれています。
それは、今まで主観的ウェルビーイングが低下すると政治・社会が混乱していたから。実際にイギリスのBrexit投票(2016年)、エジプトのアラブの春(2011年)ウクライナの 尊厳の革命(2014年)が起こった際には、客観的ウェルビーイングの指数はあまり変わらなかったのに対し、主観的ウェルビーイングの指数が低下していました。
こういった背景もあり、いま、「主観的ウェルビーイング」の注目度が高まっています。
では、「主観的ウェルビーイング」を上げるにはどうしたらよいのでしょうか?
みなさんが自分が「しあわせだ」「満足だ」「充実している」ときはどんなときでしょうか?
人によって「しあわせ」のありかたは違うため、10人いれば10人分のウェルビーイングがあります。
普段の生活のなかで、小さなことでもしあわせに感じることを見つけたり、あるいは自分の人生の目的を考え直すことたりすることが、自分の「しあわせ」を見つけるヒントになるかもしれません。
また、チームのウェルビーイング度を上げる、という場合には、チームに所属する個々人の「しあわせ」に加え、チームに所属する「しあわせ」やチームメンバーに認められる「しあわせ」などが欠かせません。
仕事もプライベートも含めた人生の充実のためには、下図の4つの要素が必要と言われています。
心と体の健康をベースに、自分の力を十分に発揮できたり、仲間との協力体制があること、チームの方向性に自分が納得しているかなどが大切です。
具体的に企業などでどのような取組があるかみていきましょう。
現在さまざまな企業で「しあわせ」を目的とした事業や取り組みが行われていますが、首都圏などを中心に店舗を展開する「丸井グループ」では、社員50名強が参加する大規模プロジェクトを立ち上げ、社内風土の醸成や社外への発信に取り組んでいます。
丸井グループのアドバイザーでもあり、ウェルビーイング研究の第一人者の予防医学博士 石川 善樹さんの講演と対話を通してウェルビーイングについて学びました。
また、自分の「パーパス」(=私は何のために存在するのか)について、メンバー同士でお互いに掘り下げ、丸井グループの方向性と重ねるというワークを行い、「働く」ことを新たな視点で見つめ、ウェルビーイングの体現に向けて動き出すきっかけとしました。
ウェルビーイングに関する書籍を読み、自分たちのアクションに繋げていくことを継続的に行っています。
丸井グループの店舗や営業所の各所で、「ラジオ体操」「瞑想」など、ウェルビーイングな取り組みが進められています!
全社員の「仕事の価値観」や「仕事の意義」への意識を高めるために、社内で「パーパス」の研修を開催したり、ウェルビーイングな社員や取り組みを社内サイトで発信したりという活動を進めています。
活動を通じて、社員のウェルビーイング度が向上することを目指しています!
ウェルビーイングを社外に発信するため、今年は「女性の健康」にフォーカスして店舗でのイベントや社外向けサイトの開設などを行っています。
生理や更年期障害など、女性特有の健康課題などに対して取り組む企業の方や個人の方などと、より女性がイキイキと活躍できる社会を目指して活動しています!
ここまで、ウェルビーイングについてなぜ今注目されているかや、ウェルビーイングになるための方法まで、具体的な事例などもふまえてご紹介してきました。
ウェルビーイングは、概念的なものだからこそ、自分がウェルビーイングになるための方法を見つけるには時間がかかるかもしれません。
しかし、あなたがウェルビーイングであることは、あなただけでなく、周りの人や社会にも大きな影響をもたらします。
ぜひ、あなたの「ウェルビーイング」をみつけて、周りの人とも一緒にトライしていきましょう!