[型番:7886241209]
MASU/エムエーエスユー/DIAMOND SCRAPED CARDIGAN/M26H9KN003
クルーネックのアーガイルカーディガン。
程よい肉感と、締まりのあるウールの糸を使用。
程よく身幅を持たせたミドル丈のシルエット。
縫い目を表に出す、リンキングのディテールと、裏使いされた網目が、アーガイルに幾層もの表情を与える。
前身頃と左脇の金ボタン、エッジのダメージ加工がトラディショナルの文脈にアイロニーを投げかけた。
形式的な優等生を脱ぎ捨てた、ブランドのニューシグネイチャー。
2026 FALL-WINTER COLLECTION
“Sugar Riot”
ファッションは、元々誰のものでもなかった。蔦が長い年月をかけて壁を覆うように、時が流れ、服は「誰が着るべきか」を静かに指示し始めた。挙句には、「どう着るか」さえも人々が無自覚に握りしめているものになっていた。
デニムは鉱夫が着て、アーガイルはカントリークラブで着られ、ベルベットは品格の象徴として。しかし、MASUは、人のつくったコードを疑ってきた。丸だと思っていたものを裏から見たら尖っていた□□そういう発見を、探し続けてきた。
デザイナーが10歳にも満たないあの頃、祖母が暮らす家を訪ね、クローゼットを物色してロックスターのような格好をして遊んだ。想像力の世界の中で、何にでもなれるんじゃないかと信じていた。だが、いま、アルゴリズムの支配とヒエラルキーの圧力、帝国的な資本のサイクルとゲームが“あの頃”にも通ずる“自由”を侵食している。服、この素朴なものが持つ無限の未来が失われようとしている。MASUは、イン
ディペンデントなデザイナーが抱える虚しさをじっと嘆くわけではない。ただ、私たちの未来を失わないために、身近な人たちに直接語りかけることができると信じている□□つまりこれは、私たちのための、優しく、甘い一揆(ライオット)だ。MASUは、時代感覚を一身に受けながらも、歴史を改ざんすることなく、凝り固まった慣習や通例、定石を解きほぐし、常套句をスライスしていく。もっと、自由闊達で良いのだと言わんばかりに。
たとえば、アーガイルセーターの裾が欠けている。労働者へ捧げられた鈍く輝くベルベットに、バンダナ柄のシルクのチーフ。フローラル刺繍の礼服はスパイキーなZIP-UPブ
ルゾンとなり、トラックスーツには無数のボタンが装飾的にあしらわれた。ヘリンボーンツイードのジャケットに5色のクローバー型の力ボタンがささやかに咲き、プレッピーの記号がスキニーなクロップドデニムに縫い付けられている。スウェードのフライトジャケットは、戦いとは無縁の、花柄やレーザーカットによる蔦の模様がのびる。素材は褪せたカラーパレットと出会い、文脈を超えてマリアージュする。着古したような痕跡もパッチワークも、冴えない日々も、心のひびさえも愛でるべきものに変わりないのだ。
デニムのブルー、プレッピーの黄色、ベルベットの複合的な
グリーン
イエロー
レビュー・口コミ